#27 カリフォルニアへ。

 

 

こんにちは!! THE PLACE店長の山本遊です。随分久しぶりです。

カリフォルニアへ行ってきました。

 

( San Francisco Ferry Terminal )

 

今回の一番の目的はサンフランシスコからワインの銘醸地ナパ・ヴァレーへ行き、僕が一番好きなワインの生産者であるMatthiasson Family VineyardのSteve Matthiasson(スティーブ・マサイアソン)氏に逢いに行くこと。

そして収穫直前のこの時期にブドウ畑を見ることが出来ることにも感謝し、僕は準備を進めた。

 

(Bengier Vineyard, Napa CA)

 

アメリカにはちょくちょく行っていて、ワインの主要な産地でいうと次はカリフォルニアに行きたいなと考えていたところだった。ニューヨークへ行って以来、仕事と勉強に追われしばらくアメリカは諦めていた。でも何事にもタイミングとチャンスがある。『このタイミングしか無い。今カリフォルニアに行くことが今後の自分を大きく左右するはずだ。』僕はインポーターさんに相談をし、スティーブ・マサイアソンに会うチャンスを作ってもらった。(本当にありがとうございます。)

 

サンフランシスコに行く少し前にスティーブがメールをくれた。当日のプランだ。

 

AM 9:00にワイナリーに集合。管理しているいくつかの畑を2人で見に行き、収穫直前のブドウを試食、そしてワイナリーに戻ってワインをティスティングしよう。そしてランチを一緒に食べようとのメールが来た。

数々の畑のヴィンヤード・コンサルタント、そして収穫直前のこんなに忙しいスティーブ・マサイアソンをこんなに長時間独占していいのか?? でも僕の心は踊った。前日にサンフランシスコに着き、そのままバスでナパ・ヴァレーへ向かう。マサイアソンとの待ち合わせの場所に比較的近い宿を取り、その日は簡単に食事を済ませ早めにベッドに入る。その日は興奮気味で浅い眠りだった。それぐらい嬉しかった。『やっと逢える。』

 

次の朝、初めてスティーブ・マサイアソンに会えた時の胸の鼓動の速さは今でもはっきりと覚えている。

 

 

ーSteve Matthiasson (スティーブ・マサイアソン )について

 

 

Matthiasson Family Vineyardのオーナー醸造家でナパ・ヴァレー屈指のヴィンヤード・コンサルタント。畑(現場)出身の現場主義であり、畑の作業は可能な限り全て自分で行う。スティーブはワインの味わいを決定する重要な要素である収穫時期を通常より3~4週間早めることを好み、カリフォルニアワイン業界全体を驚かせている。2014年には、アメリカの有力紙サンフランシスコ・クロニクルの『Winemaker of the Year』に選ばれ、今後の活躍が期待されている若手醸造家。完璧に職人だ。

 

そして何より優しく終始笑顔で、質問にも丁寧に答えてくれて、本当に素敵な人でした。

 

 

Matthiasson Napa Valley Red Wine 2012 )

 

カリフォルニアワインといえば赤は骨太高アルコールでフルボディ。白はオークの香りたっぷりで黄金色。そんなイメージがある。こういったスタイルのワインも素晴らしいですよね。

 

しかしマサイアソンのワインは食事に合わせることを前提にしたフレッシュで比較的低めのアルコールのワイン、そしてそれぞれの畑に適した耕作法と栽培法を実践、そのことによりブドウ品種の特徴を最大限に尊重する。結果、アロマ豊かなバランスの取れたワインを造ることが出来る。マサイアソンはシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンも勿論だが、ナパでは見かけないイタリア系白ブドウ品種『リボッラ・ジャッラ』、黒ブドウでは『レフォスコ』なども植えられている。本人曰く『この土地との相性は抜群だ。』

 

僕も何日かをナパで過ごしたが、朝は霧がかって、そして肌寒い。でも昼になると気温はぐんぐん上がり霧も晴れ気持ちのいい陽の光がナパに降り注ぐ。夜になるとまた気温が急激に下がる。いい具合に酸があるブドウが育つ訳だ。

 

ここは偉大な銘醸地だ。僕はこの土地を一瞬で(本当に一瞬だ…)好きになった。

 

ワインを飲めば、フレッシュで旨味がぎっしり詰まったワインに気持ちの良い酸があり食欲を掻き立てられる。

 

 

( Refosco grape & Refosco Matthiasson Vineyard 2014 )

 

 

『 地産地消(Farm to Table) 』の食文化と成りつつあるアメリカ (これはニューヨークでもポートランドでも実際にそうだった。)素晴らしい文化だ。シンプルで美味しい食材、調理法に合わせるべく新しいスタイルのカリフォルニアワインが生まれてきている。こういった考え方のワインは『ニューカリフォルニアワイン』と呼ばれ数々の生産者がこのカテゴリーに入る。

カテゴリーでいうとマサイアソンのワインは『ニューカリフォルニアワイン』になる。その話をスティーブにすると一本のワインを持ってきてくれた。

 

 

 

1981年のBeringer の Cabernet Sauvignonだった。スティーブはボトルのエチケットの下の部分を指差している。

なんとアルコール度数は12.9%abv。このスタンスのワインの中では低い…14%abvとかだと想った。

 

テイスティングし、びっくりしている僕の顔を見てスティーブはニコニコしながら、

『以前はアルコール度数は低かったんだ。だから今のスタイルが新しい訳ではない。僕らが戻ってブドウのポテンシャルを最大限に引き出して今ワインを造っているだけだよ。』

 

ただだた感動した。なんてシンプルな答えなんだ… 全ての疑問が見事に解決した。

 

この言葉の謙虚というか、歴史という概念を知り、超え、多様性のあるワイン造りに対する考え方こそが、『New(新しく) = Cutting Egde (最先端な)California Wine』なのではないだろうか。

 

そしてスティーブ・マサイアソンと僕はいよいよ畑へ向かう。

 

yy

 

 

 

DJ Motive この夏の終わりにぴったりな感じ。

 

 

 

#26 ニューヨークから夢の続きへ

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(New York 38th Street)

 

 

こんにちは、THE PLACE店長の山本遊です。随分久しぶりのブログになります。ニューヨークのブログから次は何書こうかなーなんて想っていたら、恐ろしく長い時間が経ってしまった。(本当に長い時間だ…2016年はとっくの昔のことだ!)少しだけそれに繋がる僕の話。

 

僕は店長なんだけど、ワインのソムリエでもある。(多分あまり知られていない…)国内でも海外でもお店に行った時はワインのメニューに目を通すのは仕事柄しょうがないことだ。それはフランス一周(この話はまたいつかしたい)から始まりロンドン、ポートランド、ニューヨークでも同じだ。センスの良いお店ほど、ワインリストもセンスが良かった。(ポール・オースターの小説を想わせるんだ…)

 

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(Chelsea Market 75 9th Ave,NY)

 

 

 

恥ずかしながら知らないワインの方が多く、飲んでみたいワインが沢山オンリストされていた。ここで僕がワイングラスが似合う素敵な女性とレストランで食事をしてたらワインリストに載ってある気の利いたブルゴーニュやアメリカのワインをボトルで頼んでいたかも知れない。(そして僕の財布がパンパンに膨らむほどお札が入ってたらの話だが…)

 

話は戻り、僕は少し違和感を感じていた。日本では注目されていないワインが沢山オンリストされている、何故なんだろう…このワイン注文する人いるのかな…なんてワインもある。
どの店に行ってもワインリストを分厚いミステリー小説を読んでいるかの如く見ている僕に店員はいつも話してくる。
『ワインの仕事しているのか?』
『そうだよ、日本でソムリエをしてるんだ。』
『その資格は日本だけ有効なのか?』
『どうなんだろう…』
みたいな感じでいつも会話が終わる。というよりグローバルなワインの資格って何だろう?
この会話は今後僕の人生を大きく変えるキッカケになった。

 

 

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(Dom Perignon France-Champagne)

 

 

ロンドンに本拠があり世界のワイン業界で活躍できる人材を育成する世界最大のワイン教育機関WSET(Wine and Spirits Education Trust)の試験にチャレンジすることに決めた。ニューヨークから帰ってきて一週間後のことだった。

 

僕が受験したのは日本のソムリエの資格と同等と言われているLevel 3。半年間講義に通い毎日勉強し、去年10月に試験を受けた。結果が出るまで約2ヶ月あり、不合格も覚悟していた。それほど今までと考え方が違う問題ばかりが出題された。海外の壁は僕には厚くそして高く感じた。
結果が出たのは年の瀬のクリスマスだった…

 

 

 

 

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なんと合格していた。今まで沢山のことにチャレンジしてきたけどこんなに嬉しい日は無かった。これで海外に行った際、胸を張って言える。それほど沢山勉強した。半年間勉強最優先で沢山の人に迷惑を掛けたし、多くの犠牲があった。それを覚悟で挑んだ。最終的に皆に合格という恩返しが出来たと想っている。僕の両親は手を叩いて喜んでくれた。

 

 

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(Lincoln Center-The Metropolitan Opera)

 

 

そして僕は今、WSET最高学位のLevel 4 Diplomaに挑戦している。日本でこの資格を持っている人は現在25名程度、世界に8000人。6個のユニット(醸造学、スピリッツ、ワイン概論など)があり、2年間で取得を目指すロンドン本部が開講しているオンラインプログラムに登録。試験は現在東京でしか行われていない。(少なくとも6回は東京に試験を受けに行かなくてはならない。)

全て英語で最低週15時間の勉強が推薦されている。とんでもない資格に挑戦してしまった。世界は広い、急速にグローバル化する世の中で海外との仕事も視野に入れたい。出来れば今の仕事の延長線で。

 

 

そしてまだ続く、WSET Diplomaを取得している人だけが、世界にわずか340名しかまだいない、(日本在住の日本人は1人…)ワイン業界の最高峰の資格『Master of Wine』にチャレンジ出来る。

 

僕はこれを『夢』に設定することにした。出来るだけ不可能に近いことを『夢』にしたい。想像もつかない長い旅。結局それが僕の考える限り人の為になる。

 

 

 

この話は『ニューヨークに行ってから僕の人生が変わった』みたいな美談にはならない。

 

けど少し変な角度から僕の人生は変わってきている。とてもよく晴れた日に突然吹き出した強烈な嵐のように。
仕事と勉強を両立し毎日を楽しみ、自分のライフワークも楽しむ。こんな忙しい人生なら喜んで毎日走り続けようと僕は想う。

 

 

 

そして最後に一緒に働いてくれているスタッフに心からお礼を言いたい。皆の理解と協力無くしてこの『夢』は見つからなかった。

僕はまだまだ夢の中に居る。

 

yy

 

 

 

 

 

お店のBGMに完璧にハマっているイギリスのアーティスト『HONNE』。

#25 ニューヨーク ACE HOTEL New York #5 Lobby Bar

 

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(SoHo)

 

こんにちは。THE PLACE店長の山本遊です。このブログを通して久々に逢えた人達や何か不思議な出会いが増えている事がわかった。

もう少しニューヨークをシェア。僕が体験した様々な出来事。

 

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(Grand Central Terminal 89 E 42nd Street)

 

 

様々な雑誌にエースホテルが登場したのはもう何年か前の事だ。僕が雑誌で初めて見たエースホテル。2015年に行ったポートランドPortlandのエースホテル。そして今回ニューヨークのエースホテル…毎回進化し続けている。(1Fのロビーバーにあんな本格的なバーカウンターは最初無かったはずだ…)

 

今回は全ての機能が備わった新しいホテル・バーのカタチである、ACE HOTELのロビーバーLobby Barについて。これを無くしてエースホテルは語れない。

 

そしてこのニュアンスは飲食店に取り入れたら凄くカッコ良くなると想うのです。

 

 

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(ACE HOTEL NEW YORK LOBBY BAR 20 W 29th Street)

 

 

ホテルに入ってすぐの『ロビーバー Lobby Bar』は朝から夜中まで至る所に沢山の人が集まっていて、日中はコーヒーやサンドウィッチ、夜はアルコールやエースホテル内のレストラン『THE BRESLIN』の料理を楽しめる。勿論Wi-Fiは自由に使える。

 

ここで何杯のお酒を飲んだのだろう…

ホテルに帰ってきて軽く飲むのも最高。待ち合わせにも最適だし、カクテルもセンスが良くて抜群に旨い。

ロビーバーにはどのテーブルにもフードとドリンクのメニューがあってウロウロしている店員(ホテルのフロント係)に頼めばその場で持ってきてくれる。

 

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20:00位を過ぎるとバーカウンターは人で溢れ返って社交場に変わっていく…

 

この時間帯のACE HOTELのLOBBY BARは見物だ。本当にカッコ良い。DJの流す曲がまた最高です。週末はバンドが演奏してます。毎日毎夜凄い盛り上がりで、大きなダイニングテーブルでパソコンをカタカタしている人もお酒を飲んでいたりする。

 

僕のささやかな夢(妄想に近い、そして叶いそうにも無い)はこのロビーで『Manhattan Today』というオリジナルカクテルを外国人の爆発的に綺麗な女性と素敵な会話をしながら飲むこと。(彼女はウォッカマティーニが望ましい。)出来れば23:00位が何となくいい時間帯だ。会話の内容は…そうだな、最近読んだ本についてがいい。

 

そんな妄想が生まれる素晴らしいロビーです。朝昼夜とこんなに感じが変わる空間は僕は知らない。

 

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(Empire State Building 5th Ave)

 

ホテルの前にタクシーが止まったと想えば宿泊客なのか飲みに来たのか色んな人が入ってきては出て行き入ってきては出て行き…延々続く。

 

一回AM3:00にホテルに帰って来た日があったんだけど(全くなんという日だったんだ…)まだまだ飲んでいる人が沢山居た。

 

 

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エースホテルのLobby Bar も売れて売れて売れまくっています。エースホテルが色んな地域に広がっているのも頷ける。ビジネスはこんなに膨らむのかと…毎日唖然としていた。

ほとんど全てを受け入れる寛容さと柔軟さというべきか…どこのお店も特徴を出し合い、全てがビジネスの掛け算となっている。しかも楽しみながら、遊びながら。

 

 

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そもそもホテルのロビーってこんなんだったっけ?

 

このロビーがあるからエースホテルはその土地のランドマーク的な存在になるのかもしれない。家の近くにこういう遊び場があれば僕はきっと毎週行く。そこで僕は外国人の爆発的に綺麗な女性と… もういいか。

これはとてもじゃないけど真似できそうにない。

 

安らぎを求めてホテルを使う人には少々賑やか過ぎるんだけど…